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2006年12月11日

道路特定財源一般財源化での決着 トヨタも誤算か?

 いよいよトヨタ自動車の世界一が、視野に入る中で日米摩擦を恐れるトヨタ自動車は、世界の王者であったGMの経営難まで配慮するゆとりさえ見せる。

 トヨタは豊田佐吉翁が、自動織機を発明して財力を蓄え二代目喜一郎氏が、一代一業の発想から自動車業界に参入した。戦後、トヨタ自動車は労使騒動から経営の危機に見舞われ、昭和24年の暮れ決済金二億円の調達が出来なければ、破綻まで追い込まれるなど塗炭の苦しみを体験しながらも幸運にも、朝鮮戦争勃発で需要が、伸び息を吹き返した経験から、トヨタの大番頭の石田退三氏は「自分の城は自分で守れ」の経営方針を打ち出し、大野副社長のカンバン方式を取り入れ「乾いた手ぬぐいを尚絞れ」と合理化に次ぐ合理化を推進させ、経営が安定するも事業一途の経営方針を変えず「尾張名古屋の田舎企業」と揶揄されながらも政治から一線を引いていた。

 このトヨタ自動車が政治への関心を持たざるを得なくなったのは今から二十数年前に起きた日米自動車摩擦であった。当時の財界の主流は「鉄は国家なり」を自認する製鉄業界で、稲山嘉寛新日鉄社長は経団連の会長であった。

 すでに輸出額に於いて鉄鋼を追い抜きトヨタは一位の座を占めながら、稲山経団連会長は、日米摩擦を恐れ「自動車の輸出は百万台でよい」と発言した。この経団連会長の発言は、田舎企業と蔑まれてきたトヨタに与えたショックは大きかった筈だが、結局、当時の鈴木善幸首相は「対米輸出160万台」で決着を付けてくれた。

 星霜移り平成16年の9月の衆院選では、政治と不即不離の距離を置いていた奥田碩会長らは、小泉首相の掲げる「改革路線」を推挙し、役員クラスが手分けして各陣営の集票に努め下請け企業にも協力を要請すれば、下請け企業も親会社の機嫌を損ねては?と全面的に自民党を支援した結果、民主王国愛知県で前回、民主党が圧勝した愛知県の十五選挙区で九議席を獲得、自民圧勝の因を作り、やっぱりトヨタの評価を上げた。お陰で小泉首相が率いる自民党は、296議席獲得、与党を組む公明党で三分の二以上獲得し、小泉大統領の誕生を見た。

 衆院選挙中には「元気のいいトヨタが応援してくれるのは心強い」と喜びを隠さなかった。この圧勝に自民党内には、小泉首相に逆らう者はいなく上意下達で政策路線は、決定され仇敵田中角栄の流れを汲む旧橋本派の最後の牙城である「道路特定財源」の一般財源化に足を踏み込んだ。

 この道路特定財源の一般財源化にトヨタを始め各自動車メーカーは反対の立場を取り「道路整備に充てないのなら、法定の二倍以上の暫定税率を廃止すべきだ」と反論した。

 暫定税率を廃止すれば、高いガソリンは一㍑約24円下がり、自家用車の重量税は約1万円以上の減税だと主張し自民党に要望書を提出したが、小泉首相のひと声で、道路特定財源の一般財源化、暫定税率の維持が決められ財界では「あれだけ自民党を応援しながらトヨタ自動車には皮肉な結果だ」との囁きが聞かれたそうだ。

 80年代の日米自動車摩擦から輸出規制から財界活動の必要性を悟りながら、合理化を進め世界戦略を綿密に練り、ゼネラルモーターやフォードは「大型車の高い収益力」を頼っているのに対して日本のメーカーは「燃費の安い中小型車」の生産で躍進を続け、今やゼネラルモーターやフォードの生産台数を抜き世界一のメーカーにまで成長した世界のトヨタでも侭為らぬは、小泉大統領閣下であろうか?

 正月明け、新春恒例の北米国際自動車ショーは車の街・デトロイトで開かれたが、アメリカ製の劣勢は避けられず、日本メーカーの優位であるが、日本の攻勢を受け、リストラを予後なくされた全米自動車労働組合が、会場周辺で抗議集会を開き、アメリカの国民から批判が強まれば、十一月の中間選挙を控え日本車排除の保護主義の再燃?の恐れもあるが、次はトヨタも中国や韓国の安値攻勢を受ける番となるが、トヨタは、今後も経営は豊田市の本社が、舵を取り、政治活動は東京本社の二本柱で世界一を目指して奮戦か?


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