衆院神奈川16区と大阪9区の統一補選は十月二十二日投開票され、何れも自民党候補が民主党と共産党候補を破って当選を果たし初の国政選挙を制した安倍首相は今後も政権運営に強い自信を得た。
選挙は、その時々の風に左右される事は多いが皮肉な因果の結果を招くこともある。小泉首相の頑な靖国神社参拝問題で中韓の関係は最悪の状況も行き詰まり,ぎくしゃくしていたが、安倍首相は靖国問題を封印した形の曖昧さで隠し、間髪入れずに十月八日に中国を訪問,翌九日に韓国訪問するためにソウルに向う飛行中に北朝鮮は日韓首脳会談をあざ笑うように核実験を強行した。
この北朝鮮の暴挙は平和ボケ日本国民に冷水を浴びせ国内は北朝鮮に恐怖を抱かせ、北朝鮮にとっては最悪の阿部内閣の初陣の国政選挙に有利な戦況を作り出し皮肉にも敵陣の安倍首相に塩を贈ってくれた。ここにも安倍内閣の強運さが付きまとった。
北朝鮮の七月のミサイル発射、十月九日の核実験と重なったことから小泉内閣の負の遺産である格差是正、教育基本法、憲法改正、社会保険庁の不祥事と決して戦況は自民党に有利な状況ではなかったが、これらの問題を吹き飛ばしてしまった北朝鮮の暴挙への批判となり、北朝鮮に強攻策を打ち出す安倍首相に味方した。
この二つの衆院補選でも、まざまざと見せ付けたのは連立政権を組む公明党の支持母体である創価学会の下支えの協力態勢の万全さであった。
補選は、どうしても投票率は低く、戦前の予想でも投票率50%以下なら自民党の勝ち50%以上なら民主党の優勢と伝えられていたが神奈川16区は47・16%、大阪九区は52・77%であったが一選挙区で創価学会の票は3万5千票と言われ今回の補選でも組織票を持つ学会の威力を見せ付けた。
この補選の結果を見せられれば益々、自民党の小選挙区から出馬する先生方も媚(こび)を売らざるをえない心境であろう。
衆院補選確定票数
神奈川16区
亀井善太郎 109,464
後藤祐一 80,450
笠木隆 9,862
大阪9区
原田憲治 111,226
大谷信盛 92,424
藤木那顕 17,774
船出して一ヶ月の安倍内閣も衆院補選の完勝で選挙に強い小沢神話も打ち破り順調なスタートを切ったが、この補選完勝も低投票率と創価学会の下支えのお陰で安心するには早過ぎる。
民主党は無党派層の占める割合は両選挙区とも30%台であったが、実際に投票したのは10%台に留まった。この無党派層では民主党は54%~57%に対して自民党は33%~36%であったが、創価学会の90%以上は自民党候補に投票した結果の当選であった。
公明党も神崎代表から太田代表となって万全の態勢で挑み勝利させた事で安倍内閣への発言力を高めるだろう。小泉内閣では無視され支持母体の学会には不満も蓄積されていたが、今後の政局の節目で公明党は発言力を高めてゆけるのか太田代表の力量は試されてきた。
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