自民党は九月に任期の切れる小泉首相の後継は安倍か福田かに絞られていた。
福田元官房長官は自民党総裁選に出るのか?出ないのか?と反小泉陣営は気を揉み大きな山場は八月十五日の終戦記念日に小泉首相が靖国神社に参拝した場合には出馬?すると見られたが、政治家には批判を恐れず戦う政治家と批判や敗戦を怖がって戦いに挑む事さえ出来ない福田への支持率は急落も当然であるが、福田の受け皿となるべき反小泉,非安倍陣営の統一候補も見えて来ないようでは次の自民党総裁、首相は安倍晋三官房長官で完全に決った。
自民党第二の派閥である津島派も額賀福四郎防衛庁長官の擁立論も出るが、早くも負けた場合の損得勘定で安倍氏を支援して論功行賞で幹事長狙い?ではもはや戦う政党の放棄であろう。
政策通と言われる与謝野馨経済財政相では勝ち目は薄く、与謝野経済財政相も安倍内閣の金融経済の主要ポストで遇するのでは?の予測も流れ、今の情勢なら安倍晋三官房長官の勝利派は鉄板で揺るがないが、総裁選も政策よりも自分の利害や打算の感情の勝負で政局の一寸先は闇の世界で明日に何が起こるかは想像出来ない魑魅魍魎の世界でもある。
九月二十日には自民党の総裁選で勝利した安倍官房長官は次期総理大臣で国家権力を握り、権力闘争も終れば来夏の参院選に向け安倍晋三首相と小沢民主党代表は関が原の戦いに駒を進め勝負に挑むも結局は権力闘争への一里塚である。
来年の参院選は、五年前小泉ブームに乗り自民党は改選121議席中、64議席獲得、民主党は26議席と敗北を喫した。その時の当選者らは改選を控え、奇しくも小沢民主党代表と求心力を落としたとは言え青木幹雄参院議員会長の二人は、勝敗の帰すうを一人区の29の選挙区を「二十勝九敗」と位置付けている。
大方の予想は、自民党は民主党に敗れる?である。従来、一人区は27であったが、来年は栃木、群馬の二県が増え29に増えた。
青木会長の心配する理由に昨秋の衆院選での圧勝の揺り戻しが起こること。来年は参院選と統一地方選が重なる亥年にあたり手足になる地方議員の選挙疲れから、参院選では手を抜くのではと懸念する。
又、平成の大合併で市町村議員は三年間で約1万7600人も削減し、この内の70%は自民党系と見られ集票活動に大きな打撃を受ける可能性は高くなっいる。
小泉首相は「自民党を、ぶっ潰す」と公言して支持を広げ、昨秋の衆院選で無党派層の心を掴んでの圧勝も弱者切り捨て政策は社会格差を生み、特に地方の不満は蓄積しており問題は、この一人区は地方の選挙区である。
郵政民営化で反対し自民党を追われた富山県の綿貫民穂,広島県の亀井静香らの国民党や山梨県も堀内光雄など選挙区での影響力強く、比例区でも自民党の票に食い込む可能性もあり自民党苦戦の卦は自ずと出てくる。
「自民党を、ぶっ潰す」と首相になった小泉首相だが、地方の支持基盤を次々と崩壊させた結果、来年の参院選で本当に自民党を、ぶっ潰しそうである。
過去の参院選で与野党の議席が逆転したことは三度あった。
消費税導入直後の89年には社会党の土井たか子の擁立した「マドンナブーム」で自民党は僅か36議席しか獲得できずに土井は「山は動いた」と興奮した時と愛人への手切れ金指三本(300万円)の批判を受け敗れた宇野内閣は総辞職した。98年には橋本内閣は不景気に苦しむ国民の実情を無視して増税政策を打ち出したがノーを突きつけ44議席しか獲得できずに橋本政権も倒された。
次は来年の参院選であろうと予想されてきた。自民党候補の強いとされる群馬県の山本一太氏さえ地元の福田を支援せずライバル安倍の尖兵隊を自負して奮戦、福田は不戦敗で出馬しないが、群馬県民の感情から推測すれば敵に塩を贈り不戦敗に追込まれた福田への心情から自民層分裂の可能性も高くなる。
総裁選で存在感を増す二階俊博の地元の和歌山県、安倍官房長官のお膝元山口県、参院選を仕切る青木幹雄会長の島根県と保守の強い愛媛県だと言われるが、全体を見れば安心できる状況ではなく一人区では民主党系は13、自民党8で残る八選挙区は流動的だと言われる。
三重県の場合は民主党の高橋千秋と自民党の小野崎耕平の一騎打ちの状況だが、高橋に余程のスキャンダルの起こらない限り負ける要素は見当たらない。
三重県は自民党王国の標榜も平田耕一の参院議員から衆院への鞍替えで施行された補選で高橋千秋が橋爪貴子を破り、本選挙でも勝利、昨年は芝博一が津田健児を大差で破り三連勝中で来年の参院選でも優勢な展開を見せ四連勝は間違いはないと予想される。
選挙では勝てるかもしれない?の可能性があれば、運動員にも熱は入るが負け戦承知では運動員の士気の鼓舞も期待出来ないのが選挙の常である。
衆院選挙区で大票田の一、二、三区は高橋の勝利は確実で四区でも勝つだろうし、小野崎耕平は善戦するのは五区と言われるが五区の選挙民に馴染みはなく、統一地方選挙での疲弊感もあり、県議や支持者一体の選挙も期待出来ないなど客観状況を見ても自民党の小野崎耕平の苦戦の卦は弾かれてくる。(文中・敬称略)


