阪神タイガースの親会社である阪神電鉄は村上ファンドの株買占めに慌てふためく姿は笑止であった。
今回の村上ファンドの阪神電鉄の株式買占めは、純投資で株価が高騰すれば直ぐに売却するだろうと阪神電鉄は甘く見ていた。
阪神騒動の勃発は昨年九月二十七日、村上ファンドが、大量保有報告書で阪神電鉄の株式約27%買占めたことが判明、村上容疑者は「TBSや阪神は競争原理が働いていない。既得権益にしがみついている。だから脇が甘い」と講演、阪神経営陣をアホ呼ばわりした。
その頃、子会社の阪神タイガースがセ・リーグの優勝を目前だけにタイガースナインやフアンにも大きなショックを与えた。
セ・リーグを制したタイガースは、村上容疑者は「タイガース上場案」ショックは大きく?、パ・リーグの覇者ロッテに、ぐの音も出ない屈辱の四連敗で一矢も報えない惨敗も親会社買占めの悪影響とフアンは好意的で、この時点でも打つべき手を打てず傍観したツケは大き過ぎた。
かってタイガースに所属した江本投手が「ベンチはアホだと部隊は全滅する」の名セリフを吐いたが、今なら「会社の経営陣がアホだから会社を乗っ取られる」と言い放つのではないか?村上氏に振回され、対策も打てず挙句の果てに憎い村上に経営権を奪われるより、百年来の宿敵阪急電鉄に救いを求め、阪急電鉄の子会社に成下がると往年を知る阪神の株主やタイガースフアンを切歯扼腕させている。
昨年は、良い意味でも悪い意味でもライブドアの堀江貴文社長の独断場で話題の中心人物に仕立てたフジテレビの親会社、ニッポン放送株の買占めでフジテレビの傘下を画策し連日、堀江社長はマスコミの寵児となった。
フジテレビ側は、どこの骨の者やら判らない堀江社長に乗っ取られる恐怖心から対抗策を講じるも結局、堀江社長に屈服、ニッポン放送株の買戻しとライブドア株を買わされ、約1400億円以上の巨額を、むしり取られた際にも堀江社長が手にした巨額の資金の行方が注目された。
このフジテレビ騒動にも顔を出したのが村上ファンドは、高値で売り抜け30億円以上の利益を稼ぎ次の標的は、含み資産の大きなディズ二―リゾートの運営会社のオリエンタルランドの筆頭株主の京成電鉄含や株価の安い阪神電鉄、東京の一等地を保有する百貨店の三越や松阪屋と噂された。ニッポン放送の乗っ取り事件の衝撃は、経済界を震撼させ敵対買収への防御策を打ち出すも阪神電鉄は安閑として対策らしい対策を講じなかった。
その後、堀江貴文社長は調子に乗り、衆院選に郵政民営化法案に反対した亀井静香氏の刺客として、広島六区から出馬、選挙応援には小泉首相の「偉大なるイエスマン」の武部幹事長や小泉政策のエンジンを自負する竹中平蔵金融相らも応援に駆けつけるも亀井静香氏に敗れたが、小泉の忠犬ポチ武部幹事長を仲介にプロ野球の広島カープ買収の打診も読売新聞の渡辺会長に一蹴された一件からも堀江社長らのプロ野球への関心を察知すべきでまさか?阪神電鉄株の買占めは、有る筈はないと楽観する隙を村上ファンドの餌食にされた間抜けで、哀れなウサギ役を阪神の経営者は演じた。
昨年のフジテレビ買収騒動当時から、次の標的阪神の噂が流れながらも阪神は、何の手も打たず傍観していた失態は、万死に値する無能ぶりは弁解の余地はない。大株主に登場した村上ファンドは、その後、半年も村上ファンドとの交渉は進まず水面下で京阪電鉄との事業統合の話し合いも買取り価格や統合で意見の食違いから、四月一日になって阪神は阪急に経営統合の申入れ、阪急も阪神電鉄統合の協議に入ったが、村上ファンドとは買取金額で折合いが付かない。村上ファンドは、阪神株を買い増し五月十日には、約47%まで買占めて二億株を保有,村上ファンドの平均取得価格は約650円~700円、投下した金額は約1400億円の巨額で、村上ファンド側は、売渡し金額当初1000円以上の条件に阪急側は拒否し株価交渉も虚々実々の駆引きが始った。
1000円で売れば約2、000億円で差引き約600億円上る儲だが、その後、阪神の株価も値下がり阪急ホールディングスは五月二十九日、阪神電鉄の株式公開買い付け(TOB)を実施、一株930円で買い取りに成功すれば阪神電鉄は、阪急の子会社に吸収も決定、この屈辱に手塚会長、西川社長は辞任の意向を示し、タイガースの面々に「申し訳ない」と陳謝したが無念さが偲ばれる。
村上氏は、忍び寄る東京地検の捜査を察知したが如く、村上ファンドの拠点をシンガポールに移したが、逮捕間近?と記者団が待ち受ける中、事情聴取に応じた村上氏は六月五日、記者会見では、言いたい放題の一時間二十分も逮捕を達観しているようだった。
村上世彰容疑者の逮捕に喝采を送る人をいれば、ホゾを噛んで悔しい思いの経営陣もいるが、阪神電鉄の経営陣にすれば「なぜ、東京地検は、もっと早く逮捕してくれなんだ?そうすれば宿敵阪急の軍門に下ることもなかったのに」と自分らの無能を棚に上げての怨み節が聞えそうだ。
六月二十日、村上ファンドの所有する約47%の阪神電鉄株は阪急電鉄側に引き渡され阪神電鉄は阪急電鉄の子会社に成り下り村上騒動も幕が降りた。


