五月十六日からの県議会五月臨時会も注目は十九日の正副議長の選出であったが、今年も役員選でも主導権を握ったのは未来塾であった。県議会の構成は自無公議員団(山本教和団長)の十九人、新政みえ二十一人、未来塾五人で自民党県議団としては、悲願の議長の椅子の奪回は未来塾との共闘は、避けられない条件だが、平成十六年の岩名秀樹追放劇からの確執は、政策的な対立よりも感情対立の氷解は難しく,覆水盆に返らずを地で行く有様となった。
自民党県議団は、二年前から、歯痒い思いの後手を踏み、今回も未来塾との共闘はならず空虚さの漂う中で議長選には候補の擁立も出来ず、党籍を持つ未来塾の藤田正美候補に無念の一票を投じざるを得なかった。
役員選前から、自民党県議団の若手県議から、燻り続けていた不満が新たな会派づくりに拍車を掛けそうだ。
自民党県議団の若手県議の間では未来塾議員の処分の甘さへの苛立ち、政局を読み客観状況の判断に欠ける自民党県議団のリーダーへの不満も強く今年の県議会役員選でも主導権は握れず、蚊帳の外で脇役には無念さと苛立ちも出てくるであろう。二年前に自民党県議団から、岩名秀樹と藤田正美は離脱、無門会を結成したのを好機と捉え「新政みえ」は岩名秀樹を議長に担ぎ出し自無公の推挙する山本教和と競り合い25票の同数ながら、くじ引きで、岩名秀樹が当選、皮肉で痛烈な返礼でもあった。
昨年の役員選は自無公は為すべく術もなく正副議長とも「新政みえ」に独占され敗北を喫し自民党県議団は無力感を味わった。
この無力感、虚脱感の不満の内包は、自民党執行部への批判となり、水面下で別会派の結成に動きを見せるも会派結成は、同床異夢の感もあり、自民県議団幹部の説得に応じ会派の結成は腰砕けとなったが、自民党県議団の結束は難しい状況を作り出し、県議会役員選でも昨年同様に未来塾や「新政みえ」に良いようにあしらわれて敗れた。
三年連続「新政みえ」や未来塾に煮え湯を呑まされる屈辱の不満は当然、執行部への不満となり、山本教和県議団長を退き永田正巳(旧四日市・五期)へ団長?の推測は流れたが、結局、橋川犂也が県議団長に就くが、正副議長に転進した二会派の未来塾は岩名秀樹を新政みえは田中覚代表を復活させたことを比較して戦略、政局の読み、駆引きを比較しても役者の格の違いは一目瞭然で、議会運営は完全に未来塾の岩名秀樹と新政みえの田中覚らに握られ、自民党県議団は「刺身のつま」の存在へ転落した自民党県議団を橋川犂也が束ねるには、骨が折れそうで門前の虎の岩名後門の狼、田中覚では自民党の不満組の収拾には骨が折れそうだ。
県議会役員選を控え自民党県議団の内部では新会派結成の動きは三月頃から本格化、自民県議団は候補の擁立より内紛の収拾に追われる中で、議長は新政みえから萩野虔一議長、副議長には未来塾の藤田正美の名前が上がったが、三月の下旬頃から議長に未来塾の藤田正美、副議長には新政みえの萩野虔一が浮上してきた。
自民党県議団としては、本籍は自民党に置きながら、二年前の確執から袂を別けた未来塾への不満は、有るものの議長獲得には、未来塾の共闘は、必要不可欠と見て接触を試みたが最後には、幹部の交渉の拙さから説得は水泡に化し、役員選で敵方の萩野虔一に投票した未来塾の五人には許せないと処分問題は浮上するが、この処分も昨秋の二の舞では示しは付かないのでは杞憂される。
未来塾としては、二年間に及ぶ新政みえとの共闘絡みの義理や過去の経緯からの誼(よしみ)は、消し難く藤田正美未来塾代表を議長に推挙されれば、未来塾としては断る大儀はない。
五月十八日、未来塾の藤田正美は議長に名乗りを上げ、新政みえから副議長に萩野虔一が立候補届けした瞬間正副議長の勝敗の決着を見せた。
自民党県議団は負け戦の議長には、候補の擁立を諦め、一矢を報いる意味合いから副議長に岡部英樹(旧津市・二期目)を出してはみたが、未来塾の共闘無くしては、最初から負け戦の無念さを引きずりながら、県議団にも亀裂を深める結果を招くだろう。
新政みえにも隠れた事情もあり正副議長でも当初は、萩野虔一代表の議長、未来塾の藤田正美の副議長説は有力であったが、萩野代表が正副議長の何れに就任すれば、田中覚議長の代表就任の復活も予想され田中覚代表の返り咲き阻止?の思惑から萩野議長、副議長候補案から、藤田正美議長、福山瞳副議長の浮上したが、結局は議長に藤田正美、副議長に萩野虔一で落ち着き未来塾、新政みえの代表には、萩野から議長を降りた田中覚が代表に未来塾は、藤田から岩名秀樹が代表に就任の顔ぶれに対し自民県議団は、山本教和が退き橋皮犂也と替ったが軽量感は否めない。
県議会役員選の敗北は、自民党県議団に与えた後遺症は深刻で自民党籍を有しながら熊野市の森本繁史は一人会派となって離れた。
議長選では、自無公県議団は候補の擁立さえ出来ず、自民党系会派である未来塾の候補への投票は屈辱であり近親憎悪の思いを募らせ一寸の虫にも五分の魂と副議長候補に岡部栄樹(旧津市・二期目)を当馬で擁立したが26対19で敗れた。
自無公県議団の大多数を占める自民党県議団は、党籍は同じの藤田正美議長の投票は腹が立つが、新政みえの候補よりは良い?が、せめて未来塾の共闘で副議長だけでもの思いも磯のアワビの片思いであった。
今回の県議会役員選の裏から、垣間見えるのは政策的な対立よりは人間関係の感情的な対立の深刻さである。
昨年、一期生の三人の県議が、無門会に参加して未来塾を結成した際、「議会には政党の持ち込みは避け、政策や課題は会派で決め他会派とは是々非々でやる」と述べているように自無公県議団とは条件は、合わねば一線を引く意向を滲ませていた。当然、自民党県議団からは見れば、未来塾の五人の県議は裏切り行為と見なし、処罰の検討も視野に論議されるだろうが、昨年同様、厳しい処分は見送られるだろうと軽く見られ、若い県議には失望感、当選回数の多い県議には虚しさと岩名秀樹を始め未来塾への怨念を残した県議会役員選であった。
三年続きの屈辱を味わった自民党県議団としては恨みは深く、感情論から、理性を失い重い処分を断行すれば敵に塩を送る結果を招き来春の県議選で過半数制覇の前途は多難としか言いようはないだろう。(文中敬称略)


