平成十六年は、合併ムード一色に塗りつぶされ県内から村は消え69市町村が、十四市十五町となった。この合併促進の原動力は、合併特例債のアメが大きな餌の役割を果たした。これは、合併する市町村が合併特例法に基いて発行できる地方債で、償還元利の70%が国が交付税の形で償却する。
この合併特例債は志摩市では、約309億円の起債は認められるが、30%の約100億円の基金の積み立てが必用となる。
伊勢市は、約387億円、南伊勢町が約64億円で、合併特例債の申請で事前審査を受けているのは十市町で事業数は90件に及び事業費の合計は約900億円で、国が交付金で償還分は約700億円強だと言われる。
旧志摩郡五町が合併協議会を重ねる中でも合併特例債を利用してバラ色の構想が打ち上げられた。合併特例債はアメであるが、特例債を利用しても30%は自治体の負担であり、建設しても運営費は、自治体の負担であることから無秩序なバラまきから逆に借金が増えることから、特例債の利用に慎重な姿勢を伺わす自治体もある。
合併特例債を見込んで合併に突き進んだ自治体に水を浴びせるようなニュースが正月早々、飛込んできた。竹中平蔵総務相の私的懇談会「地方分権21世紀ビジョン懇談会」が民間企業と同じように経営難に陥った自治体にも「破綻法制」の検討している事が明らかにされた。
破綻法が適用されれば、首長(市長)ら執行部の責任を明確にし破綻した自治体の資産を国の管理下に置き売却する骨格をまとめ「骨太の方針」に盛り込むことになった。破綻法では、自治体の資産や負債を管理するため、すべての自治体にバランスシートを導入させ負債総額や資産価値が一目瞭然となる仕組みである。
この破綻法が適用されれば、一定以上の赤字を抱える自治体には首長ら執行部の経営責任を問い、第三者が自治体の資産と負債を整理するという厳しい内容となる。この自治体の破綻法制定に向けた裏には改善されない地方の借金体質への怒りと苛立ちがあり、財政面で自己責任を求め、改善出来ない自治体は破綻させる強い姿勢が伺える。
これまで財政破綻した自治体には「財政再建団体制度」があり、債権団体に陥った自治体には、国の指導で再建計画を提出させ、人件費を削り、税の徴収率を高め再建する方式だが、竹中総務相はこれでは甘い再建との認識もあろう。
財政再建団体の汚名を受けると自治体は備品すら思うように購入できず一々、総務省に購入の是非の伺いをしなければ、ならず市民や町民の士気にも影響を及ぼしそうだ。三重県では、伊勢市から紀州路に掛けて財政力の弱い自治体は多過ぎるが、小泉政権が推し進める「勝ち組」「負け組」に色分けされれば、南勢地区の殆どが「負け組」に配属されそうだ。
地方交付金は、国が翌年度の地方の歳出を見積もり、収入の不足分を国税収入の一定割合を自治体に配分するもので、昨年度は約13兆7420億円であったが、国が目標に掲げる基礎的財政収支の黒字化するには、地方交付税の改革は避けて通れない事情もある。
この交付税の抜本的な見直し論を展開する「地方分権21世紀ビジョン懇談会」のメンバー六人は、竹中総務相と気心の知れたメンバーだけを懇談会に加え、与謝野馨財政担当相も「地方財政にムダはないのか、点検しなければならない」と発言、交付金の削減を押し付けられる地方の反発は必至で、野呂昭彦知事も「人間愛のない冷淡な「小さな政府論」が蔓延している。非常に残念で、数合わせの論議が心配だ」と反発の姿勢を強めている。
そのため地方六団体が対抗する用意の示唆すら示している。志摩市では市職員の数は、多過ぎて自主財源は約58億円で人件費は約60億円で人件費すら賄えず、分庁方式で、行政の合理化は難しいとパソコンを購入したが、職員がパソコンを使いこなせなく国からの交付金や補助金で補う志摩市の財政状況は異常である。
この自治体の「破綻法」が制定されれば市長といえども経営能力は試され、市長失格の烙印が、押される事になるだけに予算の使い方にも細心の注意してくれる?


