南勢地区に光は見えず。野呂知事は任期最終年度に当たる平成十八年度当初予算案を発表した。
一般会計は6、932億3,738万円で前年度比0・7%減の六年連続のマイナス予算となった。
野呂昭彦知事は選挙公約「県民しあわせプラン」の総仕上げに入ったが、称して野呂知事の予算編成は北川正泰前知事と比較して地味ではあるが、堅実な予算編成と言えるのではないか?
知事に就任した時から財政健全化に取り組み県債を前年度比3・5%減の816億円に抑制、事業費57億円を削減の効果に加え税収は、法人税二税で28・1%増の約852億円の約2,274億円と好調であるが、皮肉な事に小泉内閣が推し進める三位一体改革で、国から地方への交付金が減らされ、法人税が増えた分、地方交付税が9・7%の1,380億円も抑えられたお陰で、財源不足となり、財政調整基金を約130億円,県債管理基金全ての約223億円を取り崩し、自転車操業の感じである。
来年は団塊の世代の定年を迎え、退職金だけでも約50億円の増加に義務的な経費が膨らむことから予算を圧迫する可能性は高く来年度も自転車操業を余儀なくされそうだ。
目立ちがりやの北川前知事は、何でも一番と他の都道府県の先駆け時流に乗った事業を手がけ、志摩サイバーベースプロジェクト、四日市市の廃棄物最終処分場、多度町のRDF発電などの事業を展開したが、後を引継いだ野呂知事の三ヵ年は「北川県政の負の遺産の整理」で、謝り続け野呂カラーを打ち出せないことに同情論さえ出ている。
北川県政で光っているのは、県が90億円を投じシャープの企業誘致に成功したお陰で液晶パネルなどのデジタル関連企業は好調で法人税増と寄与しているが、思わぬ処に伏兵が立ち塞がっていた。シャープの三重用水使用問題である。
シャープは、業績好調なことから2000億円を投資、亀山第二工場建設に踏み切り、工業用水が、一日一万トンが必要となり,亀山市は、伏流水6000㌧の用意は出来たが残る400㌧を三重用水の加佐登調整池からシャープ用導水路約16㌔の設置予算として平成十八年度予算に10億8100万円を盛り込み今後三ヵ年で取水ポンプ、浄水場建設や機械類など総事業費55億円を見込んだことに鈴鹿市や三重用水の管理主体の鈴鹿川沿岸土地改良区整理組合が、当事者の了解も得ずに県の独断だと反発を強めてきた。
この裏には感情論も隠されている。現在の田中亮太市長が、県議時代に長良川河口堰事業に反対する一方で補助金カットを主張し亀山市は、三重用水への参加を見合わせた挙句、伏流水を掘り当てたから、受給を遅らせたいと周辺地域との確執も立場は変わってきた。
シャープの進出で水の需要が必用となってきたのだが、この問題の起因も北川県政の負の遺産であり、処理する野呂昭彦知事も頭を悩まし、関係者に頭を下げ通しであるが、伊勢志摩の観光振興策として、新たな魅力作りを課題としながらも観光局を新設を視野に伊勢志摩を重点に三つの新事業の事業費として総額3900万円を付け,JR東海、全日空などと携帯し伊勢志摩を売り込む「ディスティション」に1880万円、東京関などの主要駅にポスターなど503万円が、盛り込まれ観光客の落込みに不安を抱かえる伊勢志摩の観光業者には朗報であろう。
今年の予算を見れば法人税など県税収は三年連続増加だが、小泉内閣の三位一体で県税収の増加分は補助金でカットされ、県税の増収分は予算に反映されないジレンマの中で財政運営は、自転車操業は続き目新しい事業は見えて来ない地味な予算である。
三重県は県税の増収で元気の良さをアピールしているが、全ての面で南北格差の広がりは一目瞭然となった。
三重県を衆院選挙区別に見れば、三重5区の伊勢志摩、紀州路の疲弊は目に余る惨状で北勢地区の四日市市、鈴鹿市、伊賀地区での工業団地の分譲地は売れゆき好調だが、南勢地区は交通の便など立地条件は悪く鳥羽市は、七年前に工業団地を造ったが、進出企業は一件も無い有様に業を煮やした?木田市長は二月九日、十年間無償で用地を貸し出すと発表したが芳しくない。
三重県が、本当に元気な県に変貌するには南勢地区が元気になった時こそ本物だが、現実には企業の進出は見込まれず、雇用企業も少なく他地区との賃金格差も拡大し、過疎化に拍車が、掛かり経済対策に見るべき物はなく頼りは観光産業に賭けるしかないのか?
野呂昭彦知事も任期の最終年度の予算の編成を終え、再選に向けて県民に信任を受けるのは来年四月を迎えるが今頃だが自民党も有力候補の擁立は、難しく再選は確実視され一期目は、北川県政の負の遺産の整理に追われ「何んでや?」の苛立ちと北川失政への腹立たしい一期目であったが、06年度予算は苦心しながらも任期最後の野呂流の総仕上げで元気な伊賀地域や北勢地域の好況に支えられ県の元気さを印象付けているが、南勢地区は立地条件は悪く企業の進出は見込まれないことから所得格差も広がるばかりで、その対策も予算に反映されることもなく益々南北の格差が生じ全体的にみれば、南勢地区には不満は燻るが、本当の野呂色が発揮されるのは来年の二期目からと期待したい。


