公共事業を発注する側の自治体の談合防止策と受注する業界側の駆引きは、いつの時代でも、いたちごっこの繰り返しである。自治体は如何にすれば、談合が防げるか?の防止策に神経を尖らせ、入札条項の改訂に力を注ぐが、談合密告の情報は、発注側に届けられ、談合の有無の調査で自治体は事実確認で、無駄な調査時間を空費する。
小泉首相の方針で官から民への移管する方針の推進で、財政の効率化を図るとして、公共事業は年々縮小され「勝ち組」「負け組」の二極化は、進む中で建設業界の多くは淘汰され志摩市でも、ここ数年倒産や破産は相次いだが、業者は細分化され逆に多くなる珍現象の有様である。
経営事項審査は資格を有する技術者の雇用数もさることながらランクの位置づけで、大きな役割を果たしてきたのが、完成工事高(売上高)であった。昨今、この工事完成高に疑問を呈する業者は増えている。
ランクは経営事項審査によってA,B,Cなどのランクに区分けされているが、完成工事高が、ランク付けの大きな要因となるだけに完成工事高維持のために無理な受注合戦の参入を余儀なくされるケースも出てくると言われる。
中央では第二のバブルの到来だと好景気を謳歌しているが、地方には好況は体感できない別世界である。年々、細る公共事業の発注を巡って受注合戦が、繰り広げられるが受注合戦に参入する建設業者の経営内容は同一ではなく、体力差は歴然としている。
経営の神様と言われた松下電器の創業者の松下幸之助翁は「事業の赤字は罪悪である」と看破した。公共事業の受注に業者は力を注ぐのは「売上金の回収は間違いない」の信用力に加え受注すると前途金が支払われる事も要因ではないのか?
経営の悪化している業者は、その前途金を運転資金として、運用したいが故に利益を度外視して、赤字を承知で落札することも多く健全経営を目論み事業に励む業者まで、完成工事高を維持のために無謀を承知で、赤字受注合戦に参入せざるを得ない状況に追い込んでいるのが実情である。
公共事業が、発注されると必ず、発注側の自治体への談合情報の通報である。どこ何処の工事は、A社とB社のJVが、幾らで落札するという情報を寄せられると発注する自治体は事実確認する。暮にも南勢志摩県民局志摩建設部が、発注した鳥羽港国浦港湾改修工事の入札で、談合情報は寄せられ、県は調査の結果、談合の疑いは払しょく出来ないと入札を中止した。
この工事は鳥羽マリンタウン内の護岸堤防を設置するための海底地盤改良工事で大手ゼネコンと志摩建設部管内のAランクのJVが組まれ、予定価格は約4億5千433万円であったが、入札前に談合通報があったが、志摩建設部は一般競争入札に踏み切ったが、通報どおりの業者が落札したため契約を保留して翌日から入札した十一JVを組む二十二業者から、事情聴取したが不透明さが、解消出来なかったと県公正入札調査委員会を開き入札の中止を行った。
この入札で、落札した業者は港湾事業大手のWと鳥羽市のK組とのJVであったが、仮に入札の調整が行われたとしたら、大手ゼネコンの間で執り行なわれたかも知らないが、志摩建設部管内のJVを組まれたAクラスは手の届かない存在での話し合いであったと推測される。
経営事項審査の試算書で各企業の経営内容はコンピューター時代の昨今、一目瞭然であるが、建設業界も公共事業の削減から工事量も激減し手いるが、時代によって重要項目が代わるのは仕方がないにしても疑問視されるのは「完成工事高」ではないだろうか?ランクの位置づけに「工事高」がある以上「工事高」を減らせばランクが下がるとしたらランクを維持したいと考える経営者は、赤字覚悟の受注合戦に巻き込まれ、経営体力を落とさないかの危惧である。建設業界は、冬の時代だと言われるが、正念場は、今年から来年に掛けてが、生死の胸突き八丁だと見られる中で生殺与奪の剣を握って来ているのが、金融機関の思惑次第が強くなってきた。前門に経営審査?後門には金融機関?


