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2006年01月10日

野呂昭彦知事 森林環境税の導入に批判も強い 

 野呂知事も再選に向けて最終の一年を迎え「知事として任期の最終年に入り、県民しあわせプランの戦略計画も最後の年で着実にやっていきたい」と新年の抱負を語った。皮肉にもその日、桑名市多度町で起きた三重ごみ固形燃料(RDF)発電所の爆発事故で消防士ら七人の死傷者した事故で三重県警捜査一課は「爆発は予見できた」として、業務上過失致死の疑いで、設置者の県企業庁の浜田智生庁長や桑名消防本部の松下和夫消防長ら十五人を書類送検したのに対して、野呂知事は「予見できなかった」と県警と異なる見解を唱えた。

 野呂知事の三年間の実績を振り返るならリーダーシップに見るものは少なく、北川前知事の負の遺産の後片付けに終始した同情すべき点も多かった。

 乏しき実績を引っさげての来年の再選への出馬の準備は、万端であろうが、鬱積(うっせき)した思いの出馬となろうが、今の状況から察すれば「野呂昭彦知事」の再選に太鼓判であろう?カリスマ性の北川?凡庸の野呂?のイメージはあるが、対抗馬は無投票当選阻止で出てくる共産党推薦候補ぐらいであろう。

 こうした状況の中で県民から、不満が噴出しそうなのが「森林環境税」の導入問題であろう。この発端は昨年の九月,西場信行氏(自無公)、竹上真人氏(旧松阪市・飯南郡)、大野秀郎氏(新政みえ、多気郡)らが中心となって議員提案で作られた「三重の森林づくり条例」である。

 条例の理念として「森林は県土や水源、地球温暖化、生活、文化などで県民に恩恵をもたらした」としながら矛盾に思えるのは「輸入木材の影響で林業の衰退」を謳い「国や県,市町、事業者、県民が百年先を見据えて森林づくりに取組まなければいけない」とし、財源?として「森林環境税」の導入で、現在の県民税五百円を千円も上乗せの八億円を見込んでいるが、輸入木材で県内の林業の衰退を何故、県民税で賄うのか?の不合理で安易な税の徴収である。

 森林環境税の先駆者は、平成十五年度から導入した橋本大二郎高知県知事で岡山県が続きいた後は雨後の竹の子の如く全国で十七県に及んでいる。そして遅れては、環境先進県を自認する三重県でも検討を始めたが「環境づくり条例」を率先した三人の県議の選挙区は森林地帯の多い多紀郡の西場信行氏、飯南郡が基盤の竹上真人氏、多紀郡の大野秀郎氏であることから、県議選対策の一環として打ち出した「森林づくり条例」では無いのか?の疑心を抱かせている。

 「森林環境税」の対象となる県民は県民税や町民税を支払っている個人や法人で、納税義務を背負うのは、約80万人以上と目されるが、県民の理解が得られるかは不透明だ。

 森林を多く抱える地区では林業は寂れ後継者不足と外材に押され経営難には理解を示しても「森林環境税」の導入は拙速過ぎではないか。徴収するのは県税務政策室?で使い道は環境森林部?になるのか?野呂知事も飯南郡出身故に理解されるだろうが、より慎重に願いたいものである。

 かって若い国会議員として国民の価値観の変化、経済政策・産業政策的観念からリゾート構想を掲げ昭和六十二年「総合保養地域整備法」いわゆる「リゾート法」が成立させサンベルトゾーンを掲げた三重県を第一号承認を受け「リゾートは、いま日本を変える」と著書まで発刊したが、バブルが弾けたら、土地神話の崩壊で平成の大不況を招き、保養地は、閑古鳥が鳴く有様であった。

 又、都落ちしていた松阪市長時代には、ベルファームのイギリス式の庭園づくりも失敗作であった事を踏まえ、「森林環境税」の導入の是非を慎重に願いたいと多くの県民は野呂知事の叡智(えいち)に期待を寄せている。「森林環境税」の導入が必要だと判断した時、「なぜ、三重県では森林環境税は必要なのか」を県民に説明して納得させる義務はあるのではないか。

 野呂知事も就任早々か不運続きで、ごみ固形燃料発電事故、四日市市のガス化熔融炉問題、不法投棄、フェロシルト問題と陳謝の繰り返しでは、心休まる任期ではなかったが、政治には常に結果責任が付いて廻ってくる。再選に向けて第四コーナーを廻った今こそ野呂色を出すべき時であろう。

奥志摩タイムス02

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